大きな絵と小さな音楽

絵,音楽,ことば

2015-01-01から1年間の記事一覧

やたら 蝿が煩い/どこからやって来るのか不思議であったが/彼奴らは植木鉢から/ぴょんぴょんと/生まれてきていたのであった/その蠢くさま/おぞましき故/ここには書けない 必要なのは,真実ではなく正義「その女アレックス」ピエール・ルメートル

街を歩くとハローウィーン一色/たくさんのカボチャが不敵な笑みを讃えている/お好み焼きに食べにいくと/お菓子をもらえた あゝ麗はしい距離 常に遠のいてゆく風景 吉田一穂「海の聖母」 研究プロポーザルで四苦八苦している合間に オアシスのような詩作品

オーダーしたスーツとシャツをとりにいく

博士研究員の公募締め切り/科研費申請/研究室に蝿大発生

◎登校時/あやうく/立派な蟷螂や飛蝗を引きそうになり/その度に/ハンドルをきる ◎教授会にて着任の挨拶 ◎ラジオで聞いた「だれでもできることをするのは二流・自分だけができることをするのが一流/だれでもできることを最初にするのが超一流」

お客さんが増えてきた/かつてのラボは/交通の便もよかったからか/平日も休日も/来客が多かった/ここも/いつかそうなるのだろうか

部屋に観葉植物をいれた/すると/数日もしない間にぽろぽろと葉が落ち/床には葉が散乱する有様/やがて/あれほどあった葉っぱも落ち/ほとんど枝だけの/丸坊主になってしまった

肌寒いので/今年初めての暖房をつけた/暖房とはこういう感じのものだったか/温かい空気が出てきて/空気の粒子が大きくなる/驚く

ひさしく英語をつかっていない

スポーツ・ジムで/上半身を中心に鍛えている/時々すごい筋肉の人がきて/羨望の眼差しを送る/ここでは/筋肉は服飾であるかのようだ/日常生活に使うこともない大きな筋肉こそ/文化なのだ/不要が文化なのだ/なのだ

観葉植物に液肥をいれる/その翌日/登校すると/なんということ/悪臭につつまれ/蝿がぶんぶんと飛翔している

震えている薄の穂/自転車のパンクをなおす/傷んだチューブも交換する/バルブも変える/タイヤもまっさらに/ブレーキを調整する/新しい計算機が届く/モニタを新しくする/来客がある/新しいラボにも/時々来客がくるようになってきた

さっきから/外から/バシンバシンと不思議な音がするので/窓を眺めると/手のひらほどもある巨大な蛾が/硝子に突進を繰り返している/なんたるホラー映画的状況

数カ月前まで自分のラボであった居室に立ち寄る/ネームプレートは取り外され/まっさらとなっていた/まだ/電光掲示板には/まだ/ラボ名が 残っている

ハイホー! 本棚が到着し/書籍をポイポイと巨大な本棚へ投げつける/数時間後/研究室を埋め尽くしたダンボールがなくなり/直立する書架群/慌てて並べたので/よい本 わるい本 隣同士になって 気持ち悪いが/とりあえず/本がならんだ/息を吸う/息を吐く

高いビルに登る/こんな高い建物の中で仕事をするのはどんな気分だろうか/行き交う人々の衣服もきらびやかで/まるでテレビジョンのドラマの中の光景のよう夕方に再び母校へ/知っていましたか/しぼみかけた銀杏を踏みるときゅるきゅると動物のような音が…

母校へ/銀杏の香り/ひさびさに訪れると大きな大学だと実感する

夏の香りの雑木林を抜けて研究室へ/あっという間に新天地での一ヶ月が経とうとしている/ダンボールに埋もれているラボ/はやく書架が届かないだろうか?/写真は植物園から観えた月/ずいぶん大きなお月様が現れたと仰天したが/写真の中では縮んでしまい…

一番よいジャケットをはおり/近くのホールに室内楽を聴きにいく/東欧から来たという四人の音楽家/緊張感のある演奏の後/笑顔でアンコールを三度もやってのけるサービス精神/これを紳士といわずしてなんといおう

次の瞬間/宙返りをしていた/上が下になり/下が上になり/もう一度上が下となった 「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム

工事箇所が多く なかなか 目的の場所に辿りつけない/直前に/喉に流し込むように食事を摂り/相当に余裕を持って出発したのに/よもや遅れるのではないか/携帯端末をギッと握りしめ/奥歯を噛みしめる

城には狭間 /sa・ma/ と呼ばれる鉄砲や弓を放つための穴があいている

休暇をとり/船で島へ/海辺を歩くと/奇妙な立石群があったり/モネ風の庭があったり/見ていて飽きない/やがて/コンクリートの美術館にたどり着き/ひんやりとした暗闇へ降りていく/そこで不思議な光景をみた もしも,勝者が敗者の恐怖を増長するような…

血管がなく浸透圧で体液を循環させるのに適した体構造

研究室の引越/最後に残すは本ばかり/連綿と連なるダンボールのグレートウォール/何箱開けてもちっとも減った気がしない 化石を復元する際に心すべき教訓がある...既知のものからの類推に頼りすぎると,合理性を逸脱した,とんでもない間違いをしでかし…

いろんな場所で同じ話/少し違う話/かなり違う話をしている

招待講演がつづく/だんだん/しゃべり慣れると心が伴わない/慣れすぎないようにすること

朝/辞令と訓辞をいただく/午後/毎日の早起きがたたったのか/尋常でない睡魔に付き纏われる/視力や重力が安定しない

新しい職場での仕事の開始/まずは電車に乗るということから慣れなければならぬ 目の前で正義が振りかざされる瞬間ほどおぞましいものはない. 正義は値引きが利かない.これがその理由だ. ... 絶対に折り合わないとなれば後は勝利か玉砕だ.「陽気な黙…