大きな絵と小さな音楽

絵,音楽,ことば

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スローモーション 空に鳥がいない

手足が凍る 濡れた手袋は使いものにならない 金属に霜が張り付く

大きな鳥が眼前を駆け上る なんて細い足だろう 驚く間もなく 山向こうへ消える

不思議な本を読んだ 戦場で顔に怪我を負ったフランス人が 仮面を被る話 ピエール・ルメートル「天国でまた会おう」 枯れかけた植物が 最後の葉一枚を かかげる

ラボの本棚を拡張すべくホームセンターへ なんだか 休日のようだ

絵を描いたら 写真を撮る それは もう 筆を入れる度に撮る ちゃんとよくなっているか 確かめるために よくなっていない場合に 巻き戻るためにただ ときどき 写真の中の絵が 実際の絵とずいぶん違うナ と感じる時があるのだ 写真の方が立派な時もあれば 実際…

歯医者 水がキリキリと鳴る この音の高さ 医療費を払うと サイフが随分と軽くなった 気分も軽くなる

舌を咬んだ 血の味がする雪を踏みしめる 真新しい雪の白さ 踏みつけられた雪の複雑さ

朝から雪が降っている 鳥が空高く飛んでいる 本を積み上げていく

凍てつく雪が舞降る 冷凍都市の暮らし 太陽の光が燦々と

帰りの電車で 一番はしの椅子に座る. パソコンを開く. 映画を観る.政府調達の準備をする.

寒波がやってきた. 街が凍り付く. 自転車に初めてみる警告ランプが点灯していた. 温度が低すぎるとのこと.明日は今年最初の教授会である

年賀状を眺める 昔の夢を見る.埃っぽい部屋のドアをギギギと開けると, 薄明かりの中 ストーブを囲って すでにみんな集まっている. だいたい いつも フィッスマンズか渋さ知らズがかかっていた. くまにさそわれて散歩に出る.川原に行くのである. 川上弘…

この街の駅ビルは奇妙な突起が散りばめられている 何かに似ていると思ったが スターデストロイヤーかもしれぬ

文字のような絵をみる. 毎日描く姿. その姿を想像するとまるで宗教者のようだ. 絵が画面を埋め尽くすにつれ,作者の姿は消えていく. その姿の消し方. 日々 祈るように描く. ある日,自分のもとへ 自分ではないものがやって来た. そして描く事がはじま…

七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に すととん すととん一口で十歳 七口で七十歳 若返り ついには 八千年 生きることができよう

新年最初の仕事は新聞の取材 留学生と話す 久しぶりの英語飛ぶ鳥を写真に撮る 偶然 画角に入ることを期待して シャッタを切る

実家からもどる列車から月と隣接する金星が見える 吉田一穂の詩のような光景だ 遠のいていく風景 「風葬」桜木紫乃 カラカラと乾燥した文章